行ってみた@屯宮祭2023〜瑞穂・人間神様〜

イベント

黄金色の稲穂が秋風に揺れる2023年10月16日から17日の2日間、雲仙市瑞穂町の「屯宮祭」が五穀豊穣を願って賑やかに開催されました。

10月は、日本中の神様が出雲に集まるとされる神無月。氏神様が不在となるその間、瑞穂町伊福地区にある伊福八幡神社では神役人「かんえだち(六人衆)」が氏神様の代役をつとめ、生き神様として3日間を過ごす祭り「屯宮祭」は400年以上の歴史のある伝統の祭りです。8月29日に行われる風除祭の時に伊福地区にある6地区の中から一人ずつ「神役人(六人衆)=人間神様」が選ばれます。今年(2023年)は、都合により人間神様は5人。

祭り初日の10月16日、宮入祭。白装束に身を包み身支度を整えた宗塚康之さんは、22年前に宗塚さんの父が役をつとめて以来回ってきた人間神様の大役に「最後まで、この祭を全うできるように頑張ります!」と意気込みます。

自宅には仲間が集まり飾り付けの準備。例年は、近所の人たちや仲間たちと飾られた花車に乗り神社まで練り歩いて向かいますが、今年は車に乗ってのお上りとなりました。

伊福八幡神社に六人衆が集まり神事が行われ、人間神様としておつとめが開始。六人衆は神社に寝泊まりして過ごすそうです。

中日大祭の10月17日、朝6時から大川で溜め込んだ罪や穢れを流す禊を行なった後、神事を行い、大正小学校などを訪問し地域を巡幸。例年は3日目に行われていますが今年は中日に奉納相撲を開催することとなりました。15時ごろになると八幡神社の境内には、相撲を見ようと多くの人が訪れ満員に!

島原半島でも少子高齢化などで祭りの存続が課題となっていますが、平日にも関わらず、たくさんの人が参加する賑やかなお祭りです。

奉納相撲として行われる伊福地区子ども会相撲大会は、子どもたちが相撲を通し「礼」を学び、勝つために「努力する」ことや敗者への「思いやり」など人間形成に必要な特性を養うとともに、いつも元気で健康的な、はつらつとした「心と身体のふれあい」を図り、「心豊かな子ども」を育てることを目的として実施されています。
参加者は、大川、横田、高田・桑田地区の小学1年生から中学3年生までの32名。

※伊福地区子ども会相撲大会
主催:雲仙市青少年・子ども育成会議瑞穂支部、子ども会部会
共催:雲仙市教育委員会、雲仙市青少年・子ども育成会議
協力:雲仙市相撲連盟瑞穂支部、雲仙市立大正小学校、雲仙市立瑞穂中学校、伊福八幡神社

相撲が行われている間、人間神様の皆さんはこの時のために設置されたやぐらに登り、相撲を楽しみます。勝者には人間神様からお菓子が投げ込まれプレゼントされます。

まわしを着けた子どもたちが東西に分かれ、「のこった、のこった」の掛け声に合わせて、取り組む子ども相撲。小学低学年から順番に割相撲の対決や、1チーム5人制で先鋒・次鋒・中堅・副将・大将とした子ども会団体戦を行いました。

試合の合間に、ほうきで掃き土俵を整えて行きます。土俵には近所の木工所の協力で、木くずが敷いてありふわふわ。審判は雲仙市相撲連盟と各小中学校の先生方が行いました。

最後に個人戦が行われ、各学年ごとに3人抜き相撲をとり勝者にはノートとお菓子が渡されました。

力強いぶつかり合う姿に「押せ、押せ」「がんばれー」のたくさんの声援!!

両手をついて「はっけよい」!

勝敗が分かりづらい場合は、じっくり審議タイム。今回は熱い試合のおかげで取り直しが2回ありました。


人間神様たちも試合に夢中!

相撲が得意な子も不得意な子も一生懸命取り組み健闘する子どもたち。相撲大会は大きな拍手と歓声に包まれ無事終了することができました。

(左)優勝 横田子ども会、(右)2位 高田・桑田子ども会

3位の大川子ども会の皆さんもお疲れ様でした!

最後はお待ちかね「餅まき」!!
人間神様たちが、やぐらから豪快に投げまくります。

お餅だけでなくお菓子もどんどん上から降ってくる!

「神様こっちにくださーい」とお賑わいの境内。

「めっちゃ取れたー♡」と、袋いっぱいのお菓子とお餅に大喜びの子どもたち。

2023年六人衆/上大川地区 宗塚康之さん、下大川地区 下田武士さん、上横田地区 長田泰之さん、下高田地区 中山正浩さん、上高田地区 前田利信さん

小学生や地域住民のみなさんが協力し盛り上げている伝統の祭り屯宮祭。来年もたくさん飲んで笑って盛り上がる祭りの開催が楽しみです!




Asami Sakai

Asami Sakai

島原半島のことを撮ったり書いたり見つけたり。

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