はなだごさんが走る!走る!走る!有明町大三東にある八幡神社の風除祭に行ってみた!
風除祭とは、台風などを除け五穀豊穣や豊漁などを氏神様に願う、立春から二百十日目を中心としたこの時期に行われる祭。
6月には紫陽花が咲き誇る八幡神社では、毎年8月27日、神社に祭られている神様を神興にのせ松尾農村公園にある御旅所まで送る「お下り」を行います。各地で行われている風除祭ですが、大三東の風除祭では「はなだご」という天狗のお面をかぶった神様の案内役が人々を追いかけて【ヘグロ】と呼ばれる炭の粉を人々の顔に塗るめずらしい祭りが見られます。「通称はなだごさん」を見ようと神社には朝早くから多くの人が訪れていました。
神輿渡御行列は、三之沢地区にある9つの自治会が交代。
神事が始まると同時に、三之沢浮立子ども会による太鼓打ちが奉納されます。この子ども浮立は代々受け継がれている伝統芸能。4年ぶりの祭開催なので、子どもたちと保護者や指導の方々が、一つ一つ思い出しながらの練習になったそうです。
朝早く起きてちょっと眠いけど、1日頑張るそー!
神事が終わると、行列出発の準備が始まります。
早速、はなだごさん始動!
最近は炭の代わりに墨汁をつけてまわります。「嫌だー」とお母さんの周りを全力で逃げる子どもたち。
顔に塗られると、風邪や病気をしないというご利益がある縁起物なのです。
20〜3人ほどの男衆が神輿を頭上高く持ち上げ、神社の周りを3周練り歩きます。神輿の重さは360kg!
神輿渡御行列よりも少し先に、はなだごさんスタート。参道に並ぶ人たちに墨が塗られて行きます。
はなだごさんの通った道には、ほっぺたが黒くなった人がたくさんいるので探さなくともすぐ分かります。
神社から約750mほど登った国土神社が最初の休憩所。暑い夏の日、重い神輿を担いで歩くのは一苦労。水分をとり休憩する時間は必須です。
その間も、はなだごさんは子どもたちを追いかけ回します。地元の方々が打ち水をしてくれていたおかげで地面が冷やされ少しでも涼しくなるのが嬉しい。地元の人々の優しさを感じますね。
この日は日曜日だったので高校生も参戦!?
はなだごさんに捕まるか捕まらないかの絶妙な距離を取りながらダッシュ!あっという間にはなだごさんも走り去るのでカメラも追いつきません。
今年のはなだごさんは走りに自信のあるお2人なので、とにかく速い!
次々と子どもたちが襲われる?三之沢地区。大人たちは我が子に塗ってもらおうとノリノリです。
子ども浮立の音が聞こえてくると行列が近づいてくる合図。暑い中ですが子どもたちは一生懸命太鼓を打ち鳴らします。
はなだごさんとハイタッチ♡
神輿行列の間も行ったり来たりするはなだごさん。体力勝負です。
猿田彦神でもありニニギノミコトの天孫降臨の際、地上まで案内をしたという道案内の神様である「はなだごさん」。子どもたちに嫌がられながらも、健やかな成長を願い邪気払いの為に墨汁を塗ってまわります。
線路沿いの半田地区でゆっくり体を休めます。よく冷えた飲み物が美味しい!
服が心配になる程、真っ黒になった顔が素敵なみなさん。
神輿も休憩所に到着。
休憩所では酒や食事などが振る舞われ、担ぎ手たちもしばしの休息。
先に休憩を終えたはなだごさんに、またもや塗られまくる住民たち。その真っ黒な手はカメラマンにも、、!
真っ黒集団となった手下を引き連れたかのような、はなだご行列。
自転車に乗っていてもおかまいなしに追いかけられます ♪
療養中のおばあさんも、はなだごさんに会うことができて嬉しそうに握手。鳴き声や叫び声と笑い声が響き、活気ある町の景色が見られるのも祭のいいところ。
猛暑の日の行列ですが、賑やかな景色。
松尾駅近くにある公民館で休息タイム。晴天のこの日は雲仙岳も綺麗に見えていました。
一足先に子ども浮立は松尾農村公園に到着。「疲れた〜」とホッと一息。子どもたちよく頑張りました!
神輿渡御行列も公園入り口に到着。
神輿を担いで海に入り、威勢のいい掛け声で力強い海上渡御。
海から上がると、公園の中で3往復!
男衆たちが最後の力を振り絞り神輿を持ち上げます。
御旅所に神輿が納められ、お下りは無事終了。
見事な走りっぷりで盛り上げた「はなだご」の2人。「次回またお声かけがあれば頑張りたい」と心強い言葉を聞くことができました。
「4年ぶりに祭が開催されて町にも活気が見られ本当に良かった。地域の皆さんのおかげでいいお下りができました」と、八幡神社(大三東)宮司の金子さん。
この日の夜には松尾公園で奉納演芸会、8月30日には神社へと御神体が戻る「お上り」と、4日間かけて風除祭が執り行われます。
【八幡神社(大三東)】
〒859-1412
島原市有明町大三東乙950-1
TEL 0957-68-0076