島原半島の未来に貢献する人材を育成する翔南高校

教育

生徒一人一人が「将来自分が何をして、誰を喜ばせたいか」をとことん考えるキャリア教育を学んでいる島原翔南高校。1年生ではキャンパスや企業見学、2年生ではインターンシップと研修旅行、3年生では課題の解決の研究と、3年間継続した実践的な教育を行うことで、社会に貢献できる人間力を育てます。過去には、課題研究で取り組んだものが商品化するなど、例年高い評価を受けています。

2023年度は3年生40名が8グループに分かれ、地域の人々と交流を重ね、課題研究に取り組みました。今年は3グループの研究発表が、コンテストで最優秀賞や優秀賞を受賞!!

\優秀賞/
令和5年度 長崎を元気にするアイデアコンテスト

「島原半島の黒糖」


\最優秀賞/
令和5年度 長崎県高等学校・特別支援学校教育研究会総合学科部会 第13回 生徒課題研究研修会

「要らなくなった服をリメイクしよう」


\最優秀賞/
令和5年度 東彼杵町ビジネスプランコンテスト

「湯の花を使った鳥獣対策」「鳥獣コンコンで農家さんのお役に立ち隊!」
令和6年2月23日に行われた「ミライ企業Nagasaki2023チャレンジ部門 」でも優秀賞(賞金100万)を受賞!


総合学科発表会

2024年2月9日、島原翔南高校と西有家総合学習センターカムスで開催された「第19回総合学科発表会」。

午前中は各教室に分かれ、3年生6グループが研究発表。各発表は15分ごとアナウンスが流れ同時に開始します。教育関係者や保護者、1・2年生が生徒の発表に耳を傾けます。

生徒たちはタブレットも利用して情報を共有。1・2年生時に聞いた研究発表が、3年の課題を選ぶ時の参考になることが多いそうです。


研究グループの紹介


廃校を活用したイベントの実施

南島原には27の廃校があることから「地域活性化になれば」と、廃校復活フェスを企画。他の7つのグループと協力し、開催当日までの準備を進めてきました。当日は多少のトラブルはありつつも、無事終了する。アンケートでも来場者のほとんどが満足と答えるなど、良い結果が得られました。

廃校や廃施設を利用したイベントのアイデアも発表され、「廃校を借りる手続きが難しいことなど課題点もありますが、ぜひ廃校イベントを今後も後輩に引き継いで欲しい」と、発表は終わりました。


 黒糖の知名度をあげよう 

島原半島の特産物である黒糖に注目し、その魅力を「栄養」「歴史」の2つの面からPRする活動を行なった「黒糖の知名度を上げよう」のみなさん。生徒自ら作成した栄養に関するプレゼン資料や歴史に関する手作り紙芝居の質の高さ、ふるさとへの愛情深さが高い評価を受けコンテストでは優秀賞を受賞!

有馬黒糖南串工場の見学や、西有家図書館・口之津民族資料館などで資料を集めたりなど、黒糖についての情報収集を行い、歴史班と栄養班に分かれ実践を開始。

栄養班は、黒糖の成分について調べ、みそ五郎大学などて発表。

歴史班では、地元の子どもたちに知ってもらおうと紙芝居を作成。自分たちで物語を考え絵を描き、廃校フェスで披露。子どもたちだけでなく幅広い年齢層に黒糖の存在を広めることができたそうです。
紙芝居はYouTubeで見ることができます♪
黒糖 紙芝居「喜惣治さん」



 防災マップすごろくを作り隊! 

ハザードマップが小・中学生には難しいと感じること、家庭でも災害時の避難場所を決めていないなど災害意識の低さを感じたことから、防災マップの制作に取り組んだこの班。ゲームのように楽しめたらと「すごろく」付きなのが面白いアイデア♪

南島原市の災害についても調べ、マップの参考にしています。西有家女性消防団員の方にもインタビューをして、すごろくの内容についてもアドバイスをもらったそうです。
廃校復活フェスでもすごろくを実施!
「もっと様々な人が楽しめるために、色々なパターンの防災マップすごろくを作製していきたい」と感想を述べました。

各家庭でも防災グッズの常備や避難場所を知ることなど防災意識の向上に繋がればと、教室で防災グッズも展示されていました。


 世代間交流で笑顔パッカーン! 

社会的孤独者増加の防止のため、世代間交流の必要性を考えた班のメンバーは、廃校フェスで世代間交流を企画。当初、先輩からの引き継ぎで「空き家で世代間交流」を予定していましたが、危険を伴うために空き家の使用が困難となり廃校復活フェスでの交流を実施しました。

フェス当日は、高齢者の方から昔遊びのコツを教えてもらったり、けん玉で一緒に遊ぶなど楽しむことができましたが、社会的孤立者との交流の難しさなど、まだまだ課題も多く残ります。発表後には「町に笑顔を増やしたい」という高校生たちが、福祉に関心を持ち取り組む姿が見れて嬉しい」という感想の声も聞かれました。


 制服を変えてイメージUPしよう! 


創立20周年を迎えるにあたり入学者数の増加を考え、イメージアップに繋がればと「制服や校則」の提案を考えた班の発表。インターネットでの情報収拾や先生方へのインタビュー、制服アンケートの実施などを行い、「夏服にポロシャツの導入」と「前髪は目にかからない」の2つを提案。

「今後は生徒会などに投げかけ、議論してもらえたら」と考えています。
4月からはスラックスの導入が決定!!


 自転車で地域を活性化しよう 

コロナ渦以降、改めて注目されている自転車を使った観光に目をつけ、サイクリングを通して南島原の観光を盛り上げることをテーマに研究を進めたこの班では、「南島原サイクリングスタンプラリー」を実施。レンタサイクルの試乗会、サイクリングイベントにボランティアとして参加するなど、スタンプラリーの企画から運営までを行いました。

スタンプラリーは、2023年12月から2ヶ月間実施。歴史に触れること、景観がいいこと、電動自転車を借りてサイクリングロードを体験できることなどをふまえコースを考えました。サイクリングが趣味!というわけではない4人でしたが、実際にサイクリングを楽しみこの活動をすることで、自分自身が南島原市の魅力を再発見することができたそうです!


要らなくなった服をリメイクしよう

世界で50万トンを超える衣類が焼却処分されていることを知ったことをきっかけに、家にもたくさんの要らない服があることで自分たちでリメイクしよう!と始まったこの研究班。学校にリサイクルBOXを設置し「96着」の洋服を集めました。情報収集のためにこども園を訪問して、必要なものや子どものおもちゃを制作する上での注意点などを尋ね、よだれかけ、エプロン、キーホルダー、バックを作製。おもちゃは、たちばな子ども園に提供されました。文化祭ではファッションショーも行い大盛況!

コンテストでは、斬新な発想と社会貢献度の高さ、表現力に高い評価を受け優秀賞を受賞!

ミシンの使い方も未熟だったメンバーたちですが、リメイクを繰り返す中で上達し、色の組み合わせ方やテーマに合った衣装を作ることで、どんどんいい作品ができたそうです!


湯の花を使った鳥獣対策

湯の花を使ったキットでイノシシをはじめとした鳥獣に対して効果があることを実証し、安価で農家に提供できる商品のアイデアが高評価を得て最優秀賞と優秀賞を獲得!

年間3,000匹を超えるイノシシが捕獲される南島原市。イノシシやアナグマによる被害に悩まされている農家の実情を知り、秋田県立大曲農業高校の「湯の花キット」を問題解決の利用に考え研究がスタート。秋田県立大曲農業高校との交流では、湯の花キットの仕組みを学ぶことができました。雲仙の小地獄に実際に足を運び、湯の花を採取!

採取した湯の花温泉水と牛乳パックを攪拌して乾燥させると、湯の花キットが完成です。

イチゴ・なし・ぶどう・風の森・家庭菜園・民家の6ヶ所に湯の花キットを設置して観察。5ヶ月間は被害が出ないという検証結果を出すことに成功し、イノシシやアナグマ、猫に対して一定の期間、効果を発揮することが分かりました。

今後に向けては、「グランプリ受賞後はたくさんの問い合わせもあり、鳥獣被害に悩む農家が多いことが改めてわかった。湯の花キットが商品化され、鳥獣被害を防ぎ、動物のと共生が実現できるようになれば」と、考えています。


\もうすぐ卒業/

1・2年生で学んだことを生かし、高校生の視点で地域の課題について考え、実践し、発表することができた3年生のみなさん。たくさんのことを島原翔南高校で学び、新たなステップに進んで行きます!


\イチオシスポット/

島原翔南高校で聞いたオススメの場所は、見事なオーシャンビューの教室!
有明海を一望できる教室からの眺めは最高です♡

【長崎県立島原翔南高等学校】
〒859-2212
南島原市西有家町須川810
TEL 0957-82-2285(職員室)
web 島原翔南高校高等学校


Asami Sakai

Asami Sakai

島原半島のことを撮ったり書いたり見つけたり。

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