高校生が先生になって小学生と科学の不思議を楽しんだ、実験教室の様子をご紹介!
会場となった長崎県立島原高等学校。1900(明治33)年の県立島原中学開校以来、「文武両道」の校是のもと、礼節と質実剛健の気風を尊ぶ伝統校です。
この実験教室は、小学生に理科実験教室を行うことで子どもたちの理科や自然界に対する興味関心を高めるとともに、島原高校理数科生徒の自主的に学ぶ姿勢や思考力・判断力・表現力を高めることを目的として開催されました。
今回は、島原市内の小学6年生23名が参加。「実際に自分でやってみて、なんで?と疑問に思うことが大切。分からないことは高校生のみんなにたくさん聞いてみて、いろんな不思議に触れ楽しんでください。」と、岩橋校長より声がかけられました。
先生となるのは、島原高校理数科の2年生27名。2班に分かれて、物理・生物・化学・地学4つの実験を行なっていきます。
「クリップモーターぐーるぐる」物理分野
クリップとエナメル線を使ってくるくる回るモーターを作っていきます。物理メンバーらしく「右ねじの法則、フレミング左手の法則」ポーズ☆
コイルの巻き方など、なかなかコツがいる作業。小学生からも質問したり高校生からも「もう少し引っ張って」「エナメルをしっかり紙ヤスリではがしてみよう。」とアドバイスをする声が聞こえてきました。
小学生は2班あるので、教える時間も2回。1回目の反省を活かし、黒板に図を描くことで小学生に分かりやすく伝えていきます。
シンプルなつくりながら、くるくる回すのが意外と難しいモーターづくり。勢いよく回りだすと小学生も高校生も一緒に「回った!」と大喜びでした。
「植物の色、い〜ろいろ」生物分野
ほうれん草・茶っ葉・赤シソ・青シソを使い、植物がどのような色を持っているかを視覚的に見てみる実験をしていきます。
まずは材料を細かく刻んで乳鉢に入れ、溶液を加えすりつぶす作業。色素が出るように力を込めてつぶしていこう。
つくった液をガラス毛細管で吸い取り、点々とろ紙に何度もつけていきます。
展開液にろ紙をつけると、いろんな色が現れてきて不思議!
担当の先生からは、「マジックペンの色なども実験できるので、ぜひ家でもやってみて欲しい。」と話がありました。
「『くも』になろうよ」化学分野
糸・繊維について学ぶ実験では、1935年に世界初のアメリカでつくられた合成繊維「ナイロン66」をつくります。
高校生から、実験内容と注意事項をしっかり教えてもらってから実験開始です。
水酸化ナトリウム水溶液を調整して、ヘキサメチレンジアミンを加え、、、と、小学生にはちょっと難しい言葉が並びますが、ゴーグルをはめピペットを使っての実験に真剣な様子。
液体を加えると、合成繊維が出てくる出てくる!
長く取れたり、短かったり、それぞれ取れ方は違いましたが、全員繊維をつくり出すことに成功しました。
「島原半島の石を集めよう」地学分野
火山岩の分類表を見ながら、島原半島などで見つかる火山岩の標本をつくっていきます。
紙にボンドをつけたら、口之津町で取れた玄武岩、南串山町で取れた安山岩など、岩石の色や模様、鉱物の特徴をじっくり見て貼り付けていきます。実物の岩石に触れ、分類表にまとめる作業をすることで子どもたちの理解も深められそうですね。
島原半島の立体模型を見ながら「住んでいるところはここだ!」と自分たちが住んでいる場所を再確認「自分の家の周りや旅行に行ったところなど、どんな地層があるのか、どんな岩石があるのか集めてみるのもいいですね。」と先生からアドバイスをもらいました。
島原半島ジオパークの講師としても人気の寺井邦久先生と、参加した島原4小の子どもたち。
参加した子どもたちからは、「身の回りにはたくさんの不思議なことがあると思った。」「島原の地層のことについて知ることができた」「糸を自分たちで作れたのでビックリした。」という意見が寄せられました。
夏休みの工作にも役立った実験教室。参加した小学生はもちろん、先生としてサポートした高校生にとっても教えることの難しさ、理科実験の不思議さと楽しさを改めて感じた1日となったようです。
【長崎県立島原高等学校】
〒855-0036
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TEL 0957-63-7100
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