雲仙の未来を描こう!町おこし社@吾妻中学校

教育

2024年2月20日、雲仙市立吾妻中学校3年生による「継承と発展活動」発表会が行われました。

この「継承と発展活動」は、3年生が「吾妻っ子が10年後、15年後、大人になった時に、雲仙市のために何かできないかと考える人になる」をテーマに総合的な学習で取り組んできた活動。この日は、3年間の集大成となる発表会。

会場となった吾妻町ふるさと会館には、吾妻中学校1・2年生101名や、学習でお世話になった市役所行政・企業などの関係者、保護者、地域住民などが参観。

西川校長が「子どもたちは学校の中だけでなく地域社会の中で育てるのがこれからの学校教育だと思っている。これまで培ってきた力を総合的にまとめた発表会。日頃の学びが子どもたちの中に生きる力として身についていることをぜひ感じていただければ。」と挨拶を述べました。

 初めての試み 

1年生のスタート時、「地元の良さを伝える伝導者になる」を意識しての活動開始。1年生の「地域探訪」や、2年生での「県内・県外探訪」では、地域でどのような仕事が行われているのか、長崎県にはどんな特産物や観光地があるのかを学んできました。

そして3年生になった時、現状を知るだけでなく自分たちの力で雲仙市をより良くしたいと考え、「吾妻っ子が大人になった時雲仙市のためだけでなく、今住んでいる場所で当事者意識を持ち、誰かのために何かできないかと考え、行動できる人になる」とテーマを変更。10月中旬には、総合的な学習の時間「継承と発展活動」で、雲仙市がさらに発展するため3年生全員で会社を設立となりました。

会社の名前は、
雲仙の未来を描こう!町おこし社

会社は「今いる人と来る人のために」をテーマに、12課で活動を開始。実際に雲仙市で仕事をしている人々から話を聞き、それをもとに、持続可能な雲仙市にするにはどうすればいいかアイデアを出し合ってきました。この取り組みは、吾妻中学校で初めての試み。

発表会では、受付・会場準備・進行など全ての運営を取り仕切りる3年生の皆さん。頑張るぞーーー!

\私は革命を起こしたい/

「1人の力では難しい。だからこそ、みんなで雲仙市の未来について一緒に考えていきましょう!」と、力強い言葉を観客に投げかける社長の黒田さん。


 発表スタート 

雲仙市の課題や対策について、各課で考えられたことを発表していきます。

〈観光課〉温泉や紅葉、サイクリング、星空観測など、雲仙市にある数多くの観光スポットを紹介。

〈CM課〉雲仙市の魅力を発信し観光客を増やすために必要なCMを制作。実際に小浜温泉など雲仙市内各地に出向き取材・撮影を行い自分たちで制作したそうです。制作したCMは会場内で上映されました!

〈誰もが住みやすい街課〉外国人や障害のある人にとっても分かりやすい表記の工夫や、高齢者が住みやすい医療サービスなど、さまざまな人が暮らしやすい街づくりを提案。

〈第一次産業課/農業・畜産・漁業〉豊かな土地で生産されている特産品の紹介や、高齢化などの課題点、第一次産業を盛り上げていくためにAI導入や、施設の活用などを提案。

〈自然課〉自然を活用した地域活性化への取り組みについて考えた自然課。「自然と調和できている、幅広い世代で楽しめる、参加したいと思える」の3つをコンセプトに、アスレチックをつくる、ドライフラワーなどの商品づくりなどの提案だけでなく、実現するための資金問題まで考えを巡らせた案を発表。



\ゆるキャラ登場/

〈ゆるキャラかわい課〉アンケートをもとにゆるキャラを制作。普賢岳をメインに細かい設定も考えキュートなキャラクターが出来上がりました♡

工夫を凝らしできあがったキャラクターは生徒たちの自作。会場に来た150名にアンケートを実施し、選定された名前は「ふげんちゃん(ふうちゃん)」に決定!!

〈交通課〉汽車は必要なのか?という疑問から鉄道・バス・車のメリットデメリットを考える交通課。線路に花を植える、バスロケーションシステムの導入、電気自動車充電ステーションをつくるなどアイデアを発表しました。

〈商品開発課〉吉本養蜂所と吾妻みそで行ったインタビューを参考に、ゆるキャラキーホルダー、クルス、オレンジビール、香水、野菜チップス、あづま味噌ラーメンの6つの商品を考案。1週間ほどの期間限定で、実際に「あづまラーメン」での商品販売(2月末で終了)も行われ、あづま味噌ラーメンは54杯も売り上げられたそうです!

〈再生可能エネルギー課〉再生可能エネルギーをもっと普及していくためにはどうすればいいのかを考え、曲がる太陽光パネルや地熱エネルギー、風力発電、また他県でのさまざまな環境を生かした課題解決法を提示。雲仙市が再生可能エネルギーの街として進んでいく案をまとめていました。

〈歴史課〉遺跡も多く残る雲仙市ならではの、遺跡マップの作成や、クッキー作りなどのイベント企画、キリシタン文化を元とした大河ドラマの制作など、地域の魅力を発信し気軽に訪れてもらえる仕掛けづくりを提案。

〈企画課〉雲仙市にあるグルメや温泉、歴史など雲仙市ならではの体験ができることに着目し、旅行客が何を求めて訪れているのかを調査。修学旅行生の増加への取り組みの必要性や海外映画の舞台になることでの経済効果、人が集まるための道路の整備などを深く掘り下げた発表を伝えていました。

〈発信課〉より多くの人々に伝わる発信方法について考えた発信課。SNS、チラシ、アプリの制作など、発信したい内容の用途に合わせ、多くの人に向けて効率よく発信できる仕方を提案。

実際に作ったチラシも配布。イベント実施の告知内容やQRコードの使用など、工夫を凝らし自分たちで作成したそうです。

発表会を見た参加者は、各課の発表の評価や感想を記入していきます。



\ワクワクするようなことを始めて/

各課の発表後には、地域コーディネーターとして活躍している(有)吉浦ビル代表取締役 吉浦隆紀さんをアドバイザーとして迎えての講評。吉浦さんは、福岡、熊本、長崎など九州を空き家で活性化するプロジェクトを推進中。
「どれもすごい!実現性も高く、良く調べられていた。」「ぜひ、うちの建物を使って雲仙市を盛り上げて、一緒にがんばっていきましょう!」と、生徒たちに声をかけました。

最後に社長の黒田さんが「3年生のみんなが雲仙市のことが好きで、自ら動き出したからこそ実現できたこの活動。3年生が必死に考え最高のアイデアをしぼり出すまでの過程を見てきたからこそ、必ず雲仙市がより良いものにできると確信している。」「私たちが大人になった時、この雲仙市が今よりさらに魅力的な街になっていることを信じて、さあ皆さん、最高の雲仙市への1歩を踏み出しましょう!」と熱く語りかけ、見ている人々の心に残るスピーチを披露しました。

3年間を通し、たくさんのことを学び、素晴らしい発表を見せた吾妻中学校3年生の皆さん。4月からの新たな舞台での活躍を期待しています!



Asami Sakai

Asami Sakai

島原半島のことを撮ったり書いたり見つけたり。

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