土俵から広がる、子どもたちの笑顔と成長「島原雲仙相撲クラブ」

スポーツ

真夏の稽古場に入ると、砂を踏みしめる「すり足」の音が響いてきます。男の子も女の子も、経験や体格に関係なく同じ土俵で汗を流す「島原雲仙相撲クラブ」。稽古の場は、霊丘公園内にある島原市立屋内相撲場です。

現在、クラブには島原市や雲仙市から集まった4名が在籍しています。この日は、大村市立松原小学校からも子どもたちが練習に参加。日頃から交流があり、合同練習を行う機会も多いそうです。

練習が始まると、まず取り組むのは、相撲の基本である「四股」。重要な稽古の一つです。この日の目標は、なんと100回。腰を落とし、片足を高く上げ、力強く地面を踏みます。地道な動作の繰り返しですが、下半身の力や体幹を鍛える、相撲の土台となる稽古です。一回、また一回と、子どもたちは黙々と四股を踏み続けます。

「厳しさだけではなく、『楽しい』という気持ちも大切にしてほしい」と話すのは、指導者の内田悠生さん。「自分たちが始めた頃は、強い子がいて、稽古もかなり厳しかった」と振り返ります。だからこそ、幼稚園児や保育園児も遊びに来るような感覚で相撲に触れ、少しずつ競技の面白さを知ってもらえる環境を大切にしています。

昨日できなかったことが今日できるようになる。そんな小さな成長を一緒に喜ぶことも、稽古の大切な一部。伝統を受け継ぎながら、子どもたちとの向き合い方は時代に合わせて柔軟に。温かく見守りながら成長を支える姿勢が、このクラブの魅力です。

相撲というと、単純に「力が強いほうが勝つ」というイメージがありますが、自分の体をどう使うかがとても重要な競技です。稽古では、足を浮かせず地面を滑らせる「すり足」や、腰を落とした姿勢、脇の締め方、相手との距離など、基本的な体の使い方を一つずつ身につけていきます。

どうすれば自分の力を相手に伝えられるのか。どうすればバランスを崩さずに動けるのか。子どもたちは、繰り返し体を動かしながら、自分自身の体の使い方を覚えていきます。

もう一つ、このクラブが大切にしているのが「礼儀」です。稽古は「お願いします」で始まり、「ありがとうございました」で終わります。自分とぶつかってくれる相手がいるからこそ、稽古ができる。相手がいるからこそ、自分も強くなれる。道場をきれいに保つことも、相撲をする上で大切な礼儀の一つです。強さだけでなく、人として大切なことも相撲を通して学んでいきます。

クラブに通う子どもたちの中には、他のスポーツと掛け持ちしている子もいます。相撲の稽古で身につく足腰や体幹、バランス感覚は、さまざまなスポーツの基礎にもつながります。相撲を通して培った力が、それぞれの競技にも生かされています。

「うちの子は体が小さいから……」「相撲はやったことがないけど大丈夫?」そんな心配はありません。最初から強くなくても大丈夫です。まずは四股を踏んでみる。すり足をしてみる。仲間と一緒に土俵に上がってみる。そんなところから始まります。

「膝を曲げて」
「親指側に体重をかけて」
「脇を締めて」
「もっと腰を落として」指導者相手を押して前へ出るだけではありません。押されたときに踏ん張る。土俵際で耐える。最後の一歩まであきらめない。

うまくいかないときに、もう少しだけ頑張ってみる。負けそうになっても、最後までやってみる。土俵の上で繰り返す「あと一歩」の経験が、少しずつ自信になっていきます。

島原雲仙相撲クラブで、今特に注目したいのが女子相撲です。相撲は男の子のスポーツ」というイメージは、少しずつ変わっています。このクラブでも女の子が稽古に励み、大会を目指して活躍しています。

全国大会への出場を目標に稽古に励む、こはるさん。
2025年10月に京都で開催された「全日本小学生女子相撲大会」では、4年生以下35kg以上級で準優勝。2025年9月に青森県八戸市で開催された「第6回わんぱく相撲女子全国大会」でも準優勝に輝きました。日々の練習の成果を大会で発揮しているこはるさんは、2月に開催される「白鵬杯」への出場も予定しています。

真剣な表情で土俵に上がる一方、話を聞いてみると、そこには相撲に励む姿とはまた違う、等身大の小学生らしい一面もありました。

「相撲をやっていて、一番楽しいことは?」と尋ねると、返ってきた答えは「友達ができること!」。そう話すこはるさんは、満面の笑顔。九州大会や全国大会に出場すると、県外の子どもたちとも仲良くなれるそうです。相撲を始めたことで、地域の外にも友達が増えていく。これも大会に出場するからこそ生まれる、競技の魅力の一つです。

お母さんにまわしを締めてもらい、いざ土俵へ。いつもの親子のひとときです。

練習の最後は、やはり基礎の四股をしっかりと。最後まで気を抜かず、一回一回、丁寧に踏み込みます。

稽古の最後は、相手への感謝と敬意を込めて黙とうに込めて。

指導者の澤田さん、内田悠生監督、森本さん
対象は小学生から中学3年生まで。5月から12月まで活動し、男女ともに活躍中です。
気軽に稽古場をのぞいてみませんか?

【島原雲仙相撲クラブ】
対象 小学生~中学3年生まで
活動期間 5月~12月
※冬場は指導者の仕事の都合により休止
練習日 週2回
費用 年会費 5,000円
性別 男女問わず大歓迎!(特に女子部員、絶賛募集中です)

練習場所 島原市屋内相撲場
島原市弁天町2丁目7341

Asami Sakai

島原半島のことを撮ったり書いたり見つけたり。

関連記事

Posts

TOP
CLOSE

Warning: Undefined array key "show_hatena_btm" in /home/r1804716/public_html/adthink.net/wp-content/themes/muum_tcd085/footer.php on line 411

Warning: Undefined array key "show_pocket_btm" in /home/r1804716/public_html/adthink.net/wp-content/themes/muum_tcd085/footer.php on line 416