馬と過ごす時間が、心と体をやさしく整える。
雲仙の自然に囲まれた「ホースセラピー研究センター」
障がいのある人たちと共に、一人ひとりが誇りを持って暮らせる地域づくりに取り組む社会福祉法人 南高愛隣会。長崎県内各地で福祉・教育・就労支援など幅広い事業を展開し、「誰もが自分らしく生きられる社会」を目指した活動を続けています。

その取り組みの一つが、雲仙市の豊かな自然に囲まれたホースセラピー研究センターです。ここでは馬とのふれあいを通して心と体の健やかな成長を支える「ホースセラピー」を実践。障がいのある方への支援はもちろん、一般の方も利用できる体験プログラムが用意されており、子どもから大人まで気軽に馬との時間を楽しめます。

今回は、小学生の前田せいくん、かいくんと一緒に牧場を訪ねました。

最初は少しドキドキ。でも、すぐに笑顔に。
広々とした牧場で迎えてくれたのは、個性豊かな8頭の馬たち。さらに3頭のヤギや1匹の猫、金魚たちものんびりと暮らし、ゆったりとした時間が流れています。
目の前に立つ馬の大きさに、最初は少し緊張気味だったせいくんとかいくん。それでも支援員さんに教えてもらいながらそっとたてがみをなでると、馬は優しい表情で応えてくれました。

「かわいい。」
そんな一言がこぼれた頃には、すっかり緊張もほぐれ、馬との距離はぐっと近くなっていました。
馬と一緒に過ごすこと、そのすべてがホースセラピー

ホースセラピーというと乗馬を思い浮かべますが、この施設で大切にしているのは「馬と一緒に過ごすこと」です。
ブラッシングやエサやり、お世話や散歩などを通して馬との信頼関係を築きながら、自然と心が落ち着いていきます。

もちろん乗馬体験もできます。
勇気を出して馬の背中にまたがると、最初は少しぎこちなかった表情も、歩き始める頃には自然と笑顔に。支援員さんがすぐ横でサポートしてくれるため、小さな子どもや初めての方でも安心して楽しめます。


馬のリズミカルな歩行は、人の歩行に近い動きを生み出すといわれ、体幹やインナーマッスルへの刺激、姿勢やバランス感覚の維持・向上が期待されています。また、馬との信頼関係を築くことで、気持ちの安定や自己肯定感、自信、意欲の向上など、心への良い影響も期待されています。
科学的な研究も続けるホースセラピー
ホースセラピー研究センターでは、馬とのふれあいによる心理的・身体的な変化を科学的に検証する研究にも取り組んでいます。


長年積み重ねてきた実践だけでなく、エビデンスの構築にも力を注ぎ、より良い支援へとつなげています。
施設では障がいのある方を対象とした生活介護サービス(利用には障害支援区分が必要)を行う一方で、一般向けの体験プログラムや学校・企業・各種団体の利用も受け付けています。





個性豊かな馬たちとの出会い
現在暮らしているのは8頭の馬たち(福祉介在馬)。と、ヤギ3頭、猫1匹、金魚5匹。
人懐っこく、人が大好きなアレクサンダー。ぱっつん前髪がトレードマークのブラックベリー。どこか気品漂うお嬢様のようなリナスター。そして、おっとりとした性格で優しく寄り添ってくれるあやの。
それぞれ性格も表情も違い、馬たち一頭一頭にも個性があります。

中でもひときわ存在感を放つのが、1992年生まれ、34歳のサリー。人間に換算すると約102歳ともいわれる大ベテランで、これまで多くの人に寄り添い続けてきた優しい存在です。

日常を少し離れて、馬と過ごす特別な時間を。
森の中をゆっくり歩き、草を食べる馬を眺め、優しいぬくもりに触れる。
ここには慌ただしい日常では忘れがちな、穏やかな時間が流れています。
障がいのある方だけでなく、子どもも大人も、誰もが馬とのふれあいを楽しめるホースセラピー研究センター。
心も体も自然とリラックスできる、雲仙ならではの特別な体験に出かけてみませんか。

今回ご案内いただいたホースセラピー研究センターの管理者/サービス管理責任者の野中憲一郎さん(右)と生活支援員の請田政文さん(左)。


【社会福祉法人 南高愛隣会 ホースセラピー研究センター(FARM UNZEN)】
〒859-1215 長崎県雲仙市瑞穂町古部甲2504-23
ふれあい 8:30〜17:30(年中無休)
体験乗馬 9:30〜12:00/13:00〜15:30
※要予約・日曜休
TEL 080-8597-0486
プログラム・料金
ふれあい:無料/人
乗馬体験:1,000円/人
単独騎乗:1,500円/人
付添騎乗:2,000円/人
付添外乗:3,000円/人
※乗馬は10分毎、インストラクション付き、外乗以外は牧場城内で実施。
※この支援活動は法人・個人・学校・企業問わず利用できます。